黒字倒産とは?赤字倒産との違いについても解説
倒産といえば、赤字が続いて経営が立ち行かなくなるケースを想像しがちですが、利益が出ている企業であっても、倒産することがあります。
本記事では、黒字倒産とは何か、一般的な赤字倒産と比較しながら解説していきます。
黒字倒産とは
黒字倒産とは、損益計算書上では黒字であるにもかかわらず、手元の現金が不足して支払いができなくなり、倒産してしまうことを指します。
一方、赤字倒産は、売上よりも費用が上回り、損失が積み重なった結果として資金が底を突く状態です。
両者の決定的な違いは、利益の有無にあります。
赤字倒産は経営不振が原因であることが明確ですが、黒字倒産は売上はあるのに現金がないという状況で起こります。
会計上の利益は、商品を販売した時点で計上されますが、実際の入金は数ヶ月後になることが一般的です。
この利益と現金の発生時期のズレを読み誤ることが、黒字倒産を招く要因のひとつとなります。
黒字倒産が発生しやすい業種とは
黒字倒産は、特定のビジネスモデルを持つ業種で発生しやすい傾向があります。
特に、支払いが先行し、売上の回収が後になる業種や、在庫を抱える必要がある業種は注意が必要です。
以下で、具体的な業種を確認していきましょう。
建設業
建設業は、黒字倒産のリスクが非常に高い業種の代表格です。
大規模な工事を受注すると、材料費や外注費、人件費などの支払いが工事の進行に合わせて発生します。
しかし、工事代金の入金は、完成して引き渡した後の数ヶ月先になることが珍しくありません。
売上が数千万円、数億円と帳簿に載っていても、その入金を待つ間に日々の支払いができなくなれば、会社は立ち行かなくなります。
受注が増えれば増えるほど、先行して出ていく現金も増えるため、好景気時ほど資金繰りの難易度が上がる業種の代表と言えるでしょう。
広告代理店
広告代理店は、取引構造上の理由から黒字倒産が起きやすい業種と言えます。
クライアントに代わって広告枠を買い付けたり、制作物を発注したりする際、メディア媒体や制作会社への支払いが先に行われるケースが多いからです。
一方で、クライアントからの入金は締め日の翌々月など、支払いよりも後に設定されることがよくあります。
売上規模が急拡大している時期は、立て替える金額が膨大になり、利益は順調に増えていてもキャッシュフローが追いつかずにパンクしてしまう危険を孕んでいます。
小売業
小売業の場合は、建設業や広告代理店とは異なり、在庫が黒字倒産の引き金となります。
商品を仕入れるためには現金が必要ですが、その商品は売れるまで在庫という資産の形をとどめ、現金には戻りません。
たとえば、季節商品を大量に仕入れたものの、販売が思うように進まずに在庫として残ってしまった場合、帳簿上は大きな損失が出ていなくても、手元の現金は仕入れ代金として流出したままになります。
棚卸資産が積み上がる一方で、借入金の返済や家賃の支払いに充てる現金が足りなくなるのが、小売業における黒字倒産の典型的なパターンです。
赤字でも企業が倒産しない理由
一般的に、赤字=倒産と思われがちですが、実は赤字であっても即座に倒産するわけではありません。
企業が倒産するのは、赤字になったからではなく、支払うための現金がなくなったときです。
たとえば、創業直後のスタートアップ企業などは、多額の投資により赤字が続くことがありますが、銀行からの融資や投資家からの増資によって十分な現金を持っていれば、倒産することはありません。
また、帳簿上は赤字であっても、減価償却費のような、実際には現金が出ていかない費用が多額にある場合、キャッシュフローで見るとプラスを維持できているケースもあります。
極論を言えば、現金を確保し続けられる限り、企業は赤字であっても存続し続けることが可能です。
キャッシュフロー管理は税理士におまかせ
黒字倒産を防ぐためには、損益計算書で利益を追うだけでなく、現金の動きをリアルタイムで把握するキャッシュフロー管理が欠かせません。
しかし、日々の業務に追われる経営者にとって、数ヶ月先の資金状況を予測し続けるのは非常に大きな負担となります。
税理士に相談することで、経営実態に即した精度の高い資金繰り表の作成が可能になります。
いつ、いくらの入金があり、どこで資金が不足する可能性があるのかを可視化することで、余裕を持って銀行融資の相談や支払い条件の交渉に動くことができます。
まとめ
黒字倒産は、利益が出ているという安心感の裏に潜む、すべての企業にとって身近なリスクです。
特に建設業や広告代理店、小売業など、売上の回収と支払いのタイミングが離れている業種や在庫を抱える業種では、利益以上に現金の動きを重視した経営が求められます。
健全な経営を続け、将来の危機を未然に回避するためにも、まずは資金繰りの現状を正しく把握することが大切です。
財務の不安を解消し、本業に専念できる環境を作りたいと考えた場合には、税理士への相談をおすすめします。










