会社が破産したら代表者も破産しなくてはいけない?
経営者にとって、自社の倒産という事態はもっとも避けたいものですが、業績の悪化などで決断しなければならないときもあります。
今回は、会社破産と代表者個人の破産の関係性などについて解説します。
会社が破産したら代表者も破産する?
結論から申し上げますと、会社が破産したからといって、法律上、当然に代表者も破産しなければならないという決まりはありません。
株式会社や合同会社といった法人は、出資者がその出資額の範囲内でしか責任を負わない有限責任であるためです。
ただし、実務上は会社と代表者が同時に破産手続きを行うケースも少なくありません。
破産しなくていいケースと破産するケースについtそれぞれ確認していきましょう。
破産しなくていい場合
代表者が個人として破産手続きを執らなくて済むのは、会社が抱えている負債に対して、代表者個人が保証人になっていない場合です。
会社名義の借入金やリース契約、買掛金などの債務について、代表者が連帯保証人としての署名押印を行っていなければ、会社が多額の負債を残して破産したとしても、債権者は代表者の個人財産を差し押さえることはできません。
この場合、代表者は会社という法人の整理が終われば、個人の預貯金や自宅、車といった財産をそのまま維持し、新しい生活を始めることが可能です。
破産する場合
代表者が会社と一緒に破産するケースは、会社の借入金に対して連帯保証を行っていることです。
日本の金融機関から融資を受ける際、中小会社の多くは代表者個人の連帯保証を求められます。
会社が破産して支払いが不能になれば、債権者は連帯保証人である代表者に対して、残債務の全額を一括で支払うよう請求してきます。
代表者が個人の資産でその数千万、数億円という負債を返済できなければ、代表者自身も支払不能の状態に陥り、自己破産を選択せざるを得なくなります。
会社が破産を検討するケース
どのような経緯を経て、会社は破産という最終手段を選択する段階に至るのでしょうか。
設備投資に失敗したとき
会社の成長を狙って行った大規模な設備投資が、結果として首を絞める原因となることがあります。
たとえば、新しい工場の建設や高額な製造機械の導入、あるいは店舗の多店舗展開などを進める際、その資金の多くを銀行融資で賄うのが一般的です。
しかし、市場のニーズが急激に変化したり、景気後退によって売上が想定の半分以下に落ち込んだりすると、巨額の減価償却費や利息の支払いが重くのしかかります。
投資した設備が収益を生まない死に筋の資産となってしまえば、キャッシュフローは瞬く間に悪化します。
一度狂った返済計画を修正するのは容易ではなく、借金を返すためにさらに借金を重ねるという悪循環に陥った結果、破産を検討せざるを得なくなります。
事業に失敗したとき
主力の商品やサービスが競争力を失い、根本的な収益モデルが崩壊した場合、破産のリスクが現実味を帯びてきます。
技術革新によって自社の強みが失われたり、大手会社の参入によって価格競争に巻き込まれたりする過程で、赤字が常態化するケースです。
債務超過状態を解消できなかったとき
会社が破産するケースとして帳簿上の負債が資産を上回る債務超過の状態が長期間続き、その解消の目処が立たなくなった場合です。
一時的な赤字であれば融資や増資でしのぐことができますが、慢性的な赤字によって純資産がマイナスに転じると、金融機関からの格付けが下がり、追加の融資を受けることが困難になります。
会社の破産リスクを下げるには資金の確保が重要
破産を回避するために、経営者が注力すべきは、安定した手元資金の確保です。
利益が出ている黒字会社であっても、現金がなくなれば倒産する黒字倒産という現象が存在するように、経営の維持にはキャッシュフローの管理が欠かせない要素となります。
潤沢な資金があれば、急な景気変動や設備故障、あるいは主要な取引先の異変といった不測の事態にも、時間を稼いで対策を打つことが可能になります。
リスクを早期に察知し、盤石な財務体制を築くためには、税務と財務の専門家である税理士に相談することが大切です。
税理士は、単に決算書を作成するだけの存在ではありません。
資金繰り表を作成する一連の作業を通じて、数ヶ月先の残高を予測し、不足が予想される場合には先手を打った資金調達のアドバイスを行うことができます。
まとめ
今回は、会社破産における代表者の法的責任やリスクを破産に至るケースなどについて紹介しました。
会社と経営者の資産は法的には分離されているとはいえ、連帯保証人になると、会社の倒産は代表者個人の生活に甚大な影響を及ぼす可能性が高いのが実情です。
そのため、資金繰りや事業経営が行き詰った段階で、早期に税理士へ相談することをおすすめします。










