法人破産時に決算書がない場合の対処法とは?
法人破産の申請には、会社のこれまでの活動を証明する資料が求められます。
中でも決算書は、会社の資産や負債の全容を把握するための重要な書類です。
今回は、法人破産時に決算書がない場合の対処法について解説します。
法人破産とは?
法人破産とは、借金を完済する見込みがなくなった会社について、裁判所が破産手続開始の決定を下し、その法人格を消滅させる手続きを指します。
この手続きの目的は、会社の財産を公平に金銭に換えて債権者に配分すること、および、会社という組織を法的に消滅させることで、返済しきれない債務から経営を解放することにあります。
法人破産が完了すると、会社は消滅するため、原則として残った借金の支払い義務もなくなります。
法人破産と自己破産の違い
法人破産と自己破産はどちらも破産法に基づく手続きですが、その対象に違いがあります。
法人の場合、破産手続きが終了すると法人が消滅するため、借金そのものが消え去ります。
一方、個人の自己破産は、手続きをして裁判所から許可を得なければ返済義務はなくなりません。
中小企業の破産では経営者本人が会社の借金の連帯保証人になっているケースが多いため、法人破産と代表者個人の自己破産を同時に申し立てることが一般的です。
この同時申し立ての際、会社の財務状況を証明する資料が不足していると、代表者自身の免責判断にも悪影響を及ぼす恐れがあるため、慎重な対応が求められます。
法人破産を行うために必要な書類
法人破産を申し立てる際、裁判所に提出すべき書類は多岐にわたります。
主なものとして、以下の資料が挙げられます。
- 登記事項証明書
- 定款の写し
- 債権者一覧表
- 資産目録
- 過去2年から3年分の確定申告書の控えおよび決算書
- 直近の試算表(決算期から時間が経過している場合)
- 全ての銀行口座の通帳のコピー
- 賃貸借契約書や保険証券の写し
決算書は、企業の経営成績や財政状態を表す役割を担っています。
そのため、裁判所や破産管財人の確認が行われる際に重要となります。
法人破産時に決算書がない場合の対処法
決算書がなくても、法人破産を行うことはできます。
具体的な対処法は、以下の通りです。
税務署から確定申告書の控えを取得する
法人破産時に決算書が手元になくても、過去に税務申告を行っていたのであれば、税務署に対して保有個人情報開示請求を行うことで過去の申告書の写しを取り寄せることができます。
確定申告書には、貸借対照表や損益計算書が添付されているのが一般的であるため、これを取得できれば実質的に決算書を復元したことになります。
ただし、この請求から書類の受け取りまでには1ヶ月程度の時間がかかることが多いため、破産を考え始めた段階で速やかに着手しましょう。
通帳履歴から現金の流れを再構成する
法人破産時に決算書がない場合、過去数年分の全銀行口座の通帳を揃えることを検討してください。
通帳の入出金記録を追うことで、会社の経済活動を段階的に可視化することができます。
通帳は過去5年から10年分を遡れるように、銀行窓口で発行を依頼します。
会計ソフトやクラウドデータの復旧を試みる
パソコンの故障などで財政に関するデータが見られない場合は、専門の業者に依頼してハードディスクの復旧を検討します。
税理士に過去のデータの開示を求めるという選択肢もあります。
精緻な財産目録を作成する
法人破産時に、過去の状況を示す決算書がない場合、現在の状況を示す財産目録を具体的に作成しましょう。
負債の額と資産の額の差を現時点のデータとして正確に示すことで、裁判所に対して誠実な姿勢を示すことが期待できます。
正当な理由と事情を上申書にまとめる
法人破産時に決算書がない場合、その理由を上申書としてまとめます。
決算書が手元になくなった経緯を、可能な限り裏付けとともに記述しましょう。
隠す意図がないことを論理的に説明し、可能な限りの代替資料を提出する姿勢を見せることが重要です。
まとめ
今回は、法人破産についての説明と、法人破産時に決算書がない場合の対処法についてお話ししました。
決算書がなくても、代替手段をとることで法人破産を行うことができます。
紛失の場合には、顧問税理士が決算書の控えを保管していることもあります。
自社の資金繰りに関して不安を感じた際や、法人破産を検討しているが決算書が手元にない場合には、早めに税理士に相談することを検討してください。










